佐武流山から苗場山へ



梅雨の晴れ間を拾って、
佐武流山から苗場山へ縦走してきました。

三国山脈をたどってきた上越県境稜線は、
白砂山で上信越の県境をなし、
そこから信越の県境となって続きます。
まだまだ登山道が未開拓は山域ですが、
佐武流山から苗場にかけては辛うじて刈り払いがされているルート。
わずかな梅雨の晴れ間を拾って縦走してきました。

秋山郷の最奥、切明手前の楢俣川からひたすら佐武流山へ。
山頂への稜線から遠く苗場山が見えました。

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頂上を後にたどる縦走路はみるみるうちにヤブが濃くなっていきます。
7年前にも歩いているのですが、こんなにヤブだったかなあ。
尾根が細い箇所や針葉樹の中などはそれなりに踏み跡をたどれるのですが、
尾根幅が広い笹薮は、ほとんど踏み跡を追うことは困難で、
かなり注意してしていてもルートをロストします。
特にナラズ山手前はひどかった。
ルートを失うたびに戻って、再びたどるのですが、
気を付けないと戻ることも困難。
慎重にやらないとどんどんルートから外れていきます。

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苦労して越えたナラズ山。

翌日の天気が悪くなることが分かっていたので、
雨中の薮漕ぎを避けるべく、とにかく先へ進みます。
赤倉山の登りで再び尾根が広がり、ついに完全にロスト。
背丈を越える竹藪に阻まれます。
タケが格子状になってゆく手を遮り、
進めない。戻れない。視界もない。
完全に道迷い状態です。
一人でこんなタケ薮に埋もれていると、さすがに不安になりますね。
とにかくパニックにだけはならないように。
大きく方向を外さないように。
一番高い頂上を目指せばいいのですから、派生した尾根に入りこまぬように。
荷物も重いししんどかった。
久しぶりに真剣になりました。

出発して10時間。
赤倉山の頂上でテントを張らせてもらいました。

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赤倉山からは東尾根の登山道が合流することもあってヤブに悩まされることはほとんどありません。
でもとにかく雨が降り出す前に安全圏に抜けようと、早々に出発しました。
途中の池塘から振り返ると、
ガスが巻き始めた佐武流山が遠く眺められました。







黒姫山



連日山を巡って帰宅したのですが、晴天が続いている。
しかし東京出張の妻に代わって留守を預からなければならない事情があり、
出かけるわけにもいかず。

と、思ったものの、
少し早起きして、長男に弁当を作り、子供たちの朝食を用意して、
洗濯を干して、学校に出かける子供たちを送り出して、家を出たのが7時40分過ぎ。
黒姫山の登山口には8時半には到着して、この晴天を味わうことができました。

しらたま平から振り返ると戸隠と高妻山、そして右隅に二日前に登った堂津岳が見えました。

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今回この三日間で必ず見かけたのがこのサンカヨウ。
飽きずにカメラを向けてしまう、憎めない花。

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人っ子一人いない七ツ池。
特別早起きせずにこんなところに来れてしまう幸せを感じます。

軽く昼寝して下山して、
子供たちが学校から帰ってくる前に帰宅できました。


鉾ヶ岳




堂津岳を下りてから白馬、糸魚川と抜けて、
翌日に能生から鉾ヶ岳に登りました。

鉾ヶ岳は、数年前に自分が雪庇を踏んで滑落遭難した山。
一昨年の6月に再登していますが、
今回気になる別ルートから登ってきました。

それは、金冠、と呼ばれる岩峰から登るルートで、
麓の集落から見上げても、スカイラインの一角に飛び出した岩コブとして目に付く岩峰です。
そもそも急傾斜が続く山なので金冠への登りもひたすらロープを伝って。
しかし眺めがすごかった。
標高、1,300mたらず、すぐ背後には日本海。
そんな山が見せるスケール感。
重厚な大山脈の一角のような風格です。

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展望や迫力はもちろんですが、
この山にはまだまだ山らしい、野生というか、原始性というか、そんなものも残っていました。
棚田が重なる集落の裏手から取り付くと、山の臭いがする。
土とか水とか草とか、濃厚な山の臭いです。
そして、音。
風や鳥の声に交じって、沢や斜面の残雪が崩落する音など。
そうして目に飛び込む、風景。
すべてにおいて豊かです。
魚沼の金城山に行くと同じような印象を受けるのを思い出しました。

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絶景山、です。
海が、日本海がすぐそこに広がっていて。



堂津岳



奥裾花自然園から堂津岳に行って来ました。
奥裾花自然園、というのは、鬼無里の先、
戸隠連峰と堂津岳から続く中西山の山稜に挟まれた、山奥中の山奥。
少し前ならミズバショウの大群落で有名な自然園です。

そもそもこの辺りの地形が面白い。
長野市街から、戸隠・飯綱の高原を経て、戸隠、中西山と山稜が連なり、
それを越えると白馬へ、北アルプスの大山脈に至るのです。

堂津岳はその中西山から北へ続く山稜の一角。
戸隠から延びる山稜が、高妻山で信越県境と合し、それが堂津岳へと続くのです。
最近登山道が整備されたと聞いて、
信越国境の一角へと出かけたのでした。

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自然園はミズバショウの盛りを終えていましたが、
登山道ではまだまだ野草の季節。
ツバメオモト、ニリンソウ、サンカヨウ、エンレイソウ、シラネアオイ…。


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頂上手前は結構なヤブでしたが、
登りついた頂上ではシラネアオイの群落と、大展望が迎えてくれました。
雨飾山から金山、焼山、火打山、そして妙高。
この角度からこの連なりを眺めるのはなかなか珍しい。
ここから山稜は高妻山と金山へ続きますが、
いまだ登山道はなく、ヤブが尾根を覆うのみ…。

稲包山



稲包山に行ってきました。
4月にも残雪の尾根をたどって三国峠から往復したのですが、
今回は三坂峠から稲包山を越えて、三国峠へ向かいました。

遥か望むのは上越国境稜線最南部。
まもなく長野と交わる稜線です。
見渡す山稜には登山道がなく、
ひたすらヤブの領域です。
何度かこの山域に通ううちに山座同定ができるようになりました。
セパトの頭、スルスの頭を手前に、
後には大黒山から上ノ倉山、忠次郎山、そして上ノ間山へと稜線が続きます。

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こちらはおなじみの谷川連峰。
遥か谷川岳から、万太郎、仙ノ倉、平標、三国山稜へと続きます。

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笹の薮漕ぎが続く尾根歩きは、
静かな国境稜線にふさわしいルートでした。


プロフィール

Hideki Hoshino

Author:Hideki Hoshino
北信州飯山で、薮と雪にまみれて暮らす写真家。
森に行ったり、山に行ったり、
雪堀りしたり、酒飲んだり。
あ、それから写真を撮ったり。

著書に『アルペンガイド8 剱立山連峰』『雪山放浪記』『剱人 剱に魅せられた男たち』(すべて山と溪谷社)など。

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